うーむ、Steamを何の気なしに見てたら、"Space Rangers"がUSD9.99とか。
悲しいな・・・。少し前に、入手困難なこの作品をどうしても見てみたくて、本当に色々手を尽くして、よく知らない欧州のサイトからわざわざ輸入したのだが、他のゲームが忙しくて入り口あたりでウロウロしている間に放置状態になっていた。
あの苦労が水泡に帰すのかあ。そして偉そうに「なに、スペレン知らないの? だめじゃんw」と威張れなくなるなw。いあ、それは冗談だが。半分くらい。
あれ、でも画像が全然違うな。ん、よくみたら私が買ったのは"Space Rangers 2 Rise of the Dominators"だったw。そしてそれはSteamにはまだないw。
RTSぽいところが生煮えなんだよね。そこが難点で、かなり時間が潤沢にある人じゃないときついのではないのかと感じた。
ただアホ臭いほどマニアックなサイ・ファイ世界なので、非常に好感がもてる。それもそのはず、ロシアの1Cがからんでいたのだ。1CについてはWWII戦術級の問題作"Theatre of War"のバカ野郎様加減を絶賛しましたが、やっぱバカだわ。この洗練されていないアラ削りな、力なく苦笑するしかないくらいのマニアックさと、おま、そんなにアイデアぶちこんだらもったいなかろう、少し次回作に取っとけとアドバイスしたくなるほどの気前よさ、商売っ気のなさ、が今のゲーム全般に欠けているのだ。
でもスペレンのシリーズものに手を出して「つまらんじゃないか!」と罵倒されても知りません。私は"Space Rangers 2 Rise of the Dominators"のことしか言っていない。
それがもしSteamでUSD9.99なら、買えと言い切ってもいいかもしれん(面白いからそこまで安くならないかも)。版権かなんかでもめてて出せないのかしらね。
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表題の"The Ardat-Yakshi"、"Demon Of The Night Winds"、古いアサリの方言で「夜の風の悪魔」という意味らしい。
サマラのパーソナル・クエストを知るまでには、だいぶ時間がかかるようだ。
ノルマンディに搭乗した最初の段階ではこんな感じ。
サマラは大きな観測窓に向かって常に瞑想中である。
「ノス・アストラであなたが追跡していた犯罪者のことを教えてくれないか?」

「私がその話題を避けたい気持ちを理解していただきたいと望みます。私の規範と信念に深く根付いている事柄ですから。
ただしそのことが私たちの任務に影響を及ぼすことはありません」
少し和んでくると、ジャスティカーについても色々と教えてくれる。

「ジャスティカーはアサリ社会にとって、どのような役割を果たしていると考えている?」

「ヒューマン文化に例えると、中世封建時代におけるナイト・エラント、あなたたちの愛する『遍歴の騎士』が最も近いようですね」
「あるいは、『サムライ』の要素も少し入っているかもしれない」
ヒューマン文化だけに詳しいのではなく、他種族のことは良く学んだという。
サマラによれば、ヒューマンは他のどの種族よりも「個人主義的」なのだそうだ。
三人のヒューマンが一つの部屋にいれば六つの意見が出る。非常に興味深い。
(つかそれってヒューマンちゅうか北米とか中国だけの話じゃないかなw)
上のは遍歴の騎士なんで、ちと違うがこれで思い出したのは・・・。
梅棹忠夫先生の説に、12世紀から13世紀にかけての似通った時代に、モンゴル帝国を中に挟んで、西でドイツ騎士団、東で鎌倉幕府の侍、武士団が、それぞれリーグニッツ、八幡浜にてモンゴルの侵攻を、モンゴル内部の権力闘争などの混乱、「天佑神助」などの僥倖もあったものの、実力で抵抗排除したというものがある。
それ以外に成功した他民族はいなかった。
先生が「封建制の成立」を語る際に、一般受けするわかりやすい言説を活用したわけですけども、 非常に人気があります。それが正しいかどうか私ごときが論ずる立場にない。ご興味がある方は、こちらでも眺めると少し覗くことができる。
http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0047pdf/ks0047.pdf
ジャスティカーにとって、邪悪な者を殺すことは避けられない責務である。ジャスティカーには平和的解決という手段はない。
ジャスティカーは恋愛を禁じられているわけではない。ただしサマラ自身あまり興味がない。実はシェパードが誘えばサマラも恋愛対象となるそうだが、今回はこれ以上話をややこしくしてどうする、と思うのでやめておく。
そして、本当に親しくなると、ついにパーソナル・クエストについて教えてくれる。


「来ていただいて大変有難いです」
「お願いをしなければなりません。私にとっては辛いことですが」
「イリウムでお会いしたとき、追跡しているのは大変危険な人物であると申し上げた。あなたに入手していただいた情報から、彼女の居場所が特定できました。
モリンスという名前を使っています。再び取り逃がす前に取り押さえたい」
モリンスなる犯罪者はオメガのアフターライフにいるという。あのオメガの支配者アリアが常時居る酒場だ。そこはモリンスにとって絶好の狩場だそうだ。

「任務が終わるまで待つといっていませんでしたか?」
「彼女の居場所がわかりました。一月もしないうちにまた消えるでしょう。今が最良の機会なのです」
「あなたにとってそんなに重要なのか?」
「400年近くも私が追及していたことです。私の人生で最も重要な事柄、そして私がジャスティカーになった理由でもあるのです」
「彼女についてもう少し教えて下さい」
「彼女はアルダット・ヤクシ。もはや死に絶えた古いアサリの方言で『夜の風の悪魔』という意味。
ただそれは神話の世界。彼女は単に、無慈悲に殺人を犯す非常に危険な人物です」
「モリンスは、非常に稀な遺伝子障害を持って生まれました。彼女と性交渉を行うことは、通常のアサリとのそれのような穏やかな神経系統の融合などではありません。
彼女は相手の神経を凌駕し、焼き切り、脳に大量の出血をもたらす。相手は心のない抜け殻となって、間もなく死ぬ」
アサリの原始時代、アルダット・ヤクシは魅惑に満ちた存在であり、破壊神と崇める文化もあった。アサリの影響力が銀河系全体に拡大した今となっては、そのような欠陥を他種族に知らせることは忌避されたのであろう。
従って他民族がその事実を知ることは極めて稀である。
「私の知る限り、現在生きているのは三人。うち二人は隠遁生活を送る道を選んだ。一人が逃走中」
「自制できないのだろうか?」
「それを繰り返すことによって彼女は強化されていくのです。まるで中毒のようなもの、繰り返すほどに歯止めは利かなくなる」
「生まれつきの異常があるというだけで、そこまで狩りたてるのはなぜ?」
「成人になると兆候が現れます。診断をうけ、隠遁かつ安息な生活を送る道が示されます。
もしそれを拒絶するようなことがあれば、それは相手を殺すことによる恍惚の呪縛から逃れられないということと同じ。そのような者に救いの道はない」
「つまり、牢獄を選ぶか、死を選ぶか?」
「中毒なのです。アサリは非常に順応性が高い。彼女自身が治療を望まなければ、治癒は無理」
「逃げ出したい気持ちもわからんでもないですが?」
「逃げた事実そのものが中毒であることを示しています。彼女が立派な倫理的立場をとることなどありません。ただ欲求の命じるままに殺し続けるだけ」
「たしかに悲劇的な存在ですが、同情に値する存在ではありません。
彼女は獲物を混乱させ、感情を歪曲させることができる。獲物は彼女の言うがままになってしまいます。
断じて阻止するしかないのです」
シェパードはオメガへの針路変更を約束した。
「有難うございます。この感謝の気持ちを表現する言葉は残念ながら持ち合わせておりません。・・・ただ、もうひとつだけ・・・。」
「この・・・化け物は、私の娘です」
「え?!」
「遺伝すると言いましたよね? 子供は何人いるのです?」
「三人です。アルダット・ヤクシは現在三人いると申し上げました・・・。ご想像のとおりです。中でもモリンスが一番乱暴な子でした。明るく自由な子でしたが・・・自己中心的」
「しかし、今頃言われても!」
「子供たち以外の誰も危険に晒したくないのです。そして口に出すのは簡単なことではありません。私は400年かけてそのことを学びました。
「娘の今の姿は私の罪。そして私の救済は彼女を殺すこと」

「哀れみは無用です。単に私の置かれた立場だけご理解下さい」
サマラは若い頃(といってもアサリのことなので数百才くらいまでの間なのだが)、冒険生活を送っていた。殺し、セックスをし、夜通しダンスをする気ままな生活。
様々な経験から学び、アサリ・マトロンとなる日がやってきた。
定住し、幸せに浸り、家族との生活を楽しんでいた。
だがある日突然、全てが失われた。
診察所の視野狭窄な医師がだらだらと事情を説明する間、サマラはずっと瞑想をしていた。全てのことが思っていたこととは全く違ってしまったことを学んだ。
所有していたものは全て捨てた。自分の知識は自分の死とともに全て消える。
今の目的は、自分の娘たちを葬るだけ。
「何百年もの間、これを耐え忍ぶことしかできませんでした。長々と話をしてしまって申し訳ありません。
長い間追っていた娘を見つけ、そして殺すため手助けをしてください」
非常に重苦しいはじまりでした。
アサリの世代にだけ簡単に触れておきますと、特定個人でばらつきも大きいが、次のようになっているそうです。
アサリの寿命は千年を超えることもあるというので21世紀のヒューマンだと、どうだろ、0、30、60才とか、0,25,50才とかの区切りに対応してるのかな。
・メイデン、新生児時代からはじまる、比較的若いアサリの世代。
・マトロン、350歳くらいから始まる世代。定住し子供を育むのが一般的。
・メイトリアーク、700歳くらいから始まる世代。賢者として評議員として、数百年にわたり培った知識と経験を社会に積極的に還元し、アサリの未来に貢献するのが一般的。そのためメイトリアークがアサリ社会の域外で見られることは稀である。
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