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2010年12月15日 (水)

ベスト・ダイアログ。

 これは初ではないだろうかと気になった。

http://www.gamespot.com/best-of-2010/

 GameSpotのBest of 2010のノミネーションに「ベスト・ダイアログ賞」というものがある。

 正しくは"Best Writing/Dialogue"。

 ベスト・ストーリーは過去にもあったように記憶しているし、今回も"Best Story"は一番上にある。2010年には"Best Ending"というカテゴリーもあって、これも2009にはなかったような気がする。あんまり適当だと失礼にあたるだろうから確認する。

 Best Writing & Dialogueは2009年にもあった。Reader's Choice賞はDragon Age: Origins、Editor's Choiceの画面はこのPCでは見れないようだ(でもこちらもDA:Oかな)。
 Best Endingは2009年にはなかった。

 かほどさように人間の記憶とは曖昧なものである(お前だけだろう)。

 これらは全部Game of the Yearの"Special Achievement"のカテゴリーの賞であり、どちらかというとお遊びの世界でもあるし、その年の欧米(むしろ北米)ヴィデオゲーム界で顕著な傾向が見られた分野をピックアップしてるようでもあるので、賞の出し入れは自由にやってるようだ。
(例えばゲームコンテンツの検閲が厳しいAU(オーストラリア)を揶揄して、オージーの検閲をよくぞ潜り抜けたで賞(Most Surprising Game to Make it Past Aussie Censors)などがあり、2009年Reader's ChoiceはCOD:MW2であった)

 さて、ここで大事なポイントは「その年の欧米(むしろ北米)ヴィデオゲーム界で顕著な傾向が見られた分野」であります。

 ここから日米の発想の違いというか、日本が太平洋戦争でなにを勘違いしたかを絡めて長々と自説をぶちます。お前のいつもの戯言聞きたくもないという向きは、******の間は無視してください。

**********

 ストーリーテリングRPGはJRPGの十八番と思われて久しいと思います。個人的に騙されてはじめたわりには、今でもやり続けてるPSPの何とかのキセキ・シリーズも、確かに陳腐なお約束展開の連続だが、破綻のない、もっぱらメルヘン女子の繊細な心にビビッドに触れるような、痒いところになんとかなストーリーづくりはもはや熟成の境地にあるといってもいい(古式蒼然としたコンバットシステムは触れずにおこう)。

 「ストーリーの良さこそがJRPGの持ち味であり最大の特徴である。これこそ繊細な優美さを尊しとする和の心(やまとごころ)の発露であります。ステーキばっか喰ってる大雑把なアメリカ人を初めとした欧米諸国民には決して理解できないのであります」

 前半はもちろんTrue。一度は滅びかけたCRPGを再興したのもストーリーに寄るところ大でしょう。
 そして後半がFalse。日本人の最大の勘違いがここにある。

 その世界を理解できないアメリカ人がなぜ、SNESやPSでこぞってJRPGを遊んでいたのでしょうか? 他に遊ぶものがない? いやいや、その頃のゲームタイトルの数といったら大変なものでしたよ。

 理解されたんですよ、世界中で。

 そして不幸が訪れる。
 CRPGであってもストーリーが大事なんだ。心にぐっとくるセリフが大事なんだ。驚愕する展開と心温まるエンディング、あるいは含蓄あるプロットが重要なんだ。
 連中はそうやってJRPGの方程式を解明した。まさに太平洋戦争で隆盛したオペレーションズ・リサーチ(OR)の手法のように。
 かたや和製JRPGは、「なぜ受けたか」はあまり真剣に考えず、最高のお手本を詳細になぞっていればいいという発想、職人の技術伝承か、あるいは写経のように伝統を墨守することで食いつないできた。

 この場末ブログでもことあるごとに紹介してきたGameSpotやIGNの記事でわかるとおり、あちらのライターや開発者たちが「現代ゲームはストーリーこそ最重要なファクターのひとつ。それをどうやって無理なく提示するか、プレイヤーを自然と引き込めるか」に腐心しているわけです。シューターでもRTSでもその重要性はRPGに決して劣らないと認識されている。これがもはや業界ノームであり、ストーリー、ダイアログ、エンディングまでもがGameSpotの賞として脚光を浴びる。

 お家芸であったストーリーテリングの秘訣まで解明され、さらに工業製品のような効率的大量生産体制を組まれたら、町工場で手づくりで零戦とか九七式戦車作ってるようじゃ勝ち目がないんです。

 さらに重要なことは、「日本人らしい繊細で職人芸のような手づくり」という発想にバインドされてしまったがゆえに、かつての和製ゲームには「質的優越」のみならず「量的優越」があったことすらまったく忘れてしまった。シェア保持のため役に立てることすらしなかったのである。プラットフォームはPC以外独占、ゲームタイトルも7割以上の売り上げが日本製であった。
 いやいや、セガはともかく、任天堂だってあのときシアトルのニンテンドー・オヴ・アメリカを増強・てこ入れしてましたよ? そりゃあ確かに先見の明があったところもあるし、それは和製ゲームにとって僥倖だったのかもしれない。あれがなかったら今頃本当に滅んでるかもね。
 この民族は何事も控え目を美徳としており、かさにかかって徹底的に勝ちにいくということがもともと不得意なので、むしろ任天堂のような動きのほうが稀なのかもしれない。

 ここが太平洋戦争初頭において、戦力の質のみならず量的にも完全に米太平洋艦隊を凌駕していたにもかかわらず、兵力温存の名の下、なんら戦略的運用を行わなかった大日本帝国海軍の発想と酷似しているのです。

 これはモデル化できてしまう。くやしい。くやしいけど仕方がない。

・当初は質的にも量的にも日本が完全に優位に立っている。
・でも日本はその事実、特に(質的繊細さや控え目という美徳にバインドされ)量的優位に気がつかないか、その戦略的運用をあまり真剣に考えない。
・成功した行動パターンを愚直に繰り返せばまた成功があると思い込む(珊瑚海、ミッドウェイ)。
・やがて総力戦をモットーにし、かつ本気で英知を結集した敵さん(米英、現代ではゲーム先進各国)が戦力分析を徹底的にやり、日本優位の秘訣を解き明かす(オペレーションズ・リサーチなど)。
・敵さんは一方で日本の強みをミミック(模倣)しつつ、他方では主としてシステムやテクノロジーの面で日本を凌駕するようなイノヴェーションを目指す。
・敵の優位をミミック作戦によって打ち消すことをパリティ戦略といいますが、日本はそれによって「十八番」を奪われ、さらにシステム(総動員体制そのものもそうだし、開発・生産システムも含む)やテクノロジーもしだいに後塵を拝するようになり、本来短期決戦としての準備しかなかったためもあって疲弊し、敗色濃厚となる。

 もうね、長くなるから説明はいちいちしないが、戦艦大和に辛うじて対抗できる(タイマンは無理かな)アイオワ級(ミズーリーが有名)の企画目的って、日本の高速戦艦封じだかんね? これもパリティ戦略ですね。
 戦艦大和が無用の長物とか、ドレッドノートが野放しで夜の海をうろつく怖さを知らない人の発想だと思う(ドイツのビスマルクなどの戦艦群と違い、そういう運用もしないで最後の最後まで温存したけどね)。アイオワ級が対抗しようとしたのは本当に夜戦に出張っていった金剛級あたりですね。
 一方システム面での凌駕策は総力戦体制もそうだし、その結果として生まれたORも含み、テクノロジーは(悲しいかな当初日本人が開発した)レーダーが有名。総力戦といえばあちらは物理学者、数学者、経済学者なとありとあらゆる分野の英才を集めて戦争目的の完遂を目指したが、日本のお役所は戦争中でも普通にのんびり休日には休んでいたというのは有名な話。

 ゲームと戦争は違います。なんでもミリタリーのアナロジーで済ませるのはやめてください。
 まあねえ、でも敵さん(アングロサクソン)は元々なんでも戦争のつもりで来るからねえ。グローバリゼーションにのっかった途端に、血の気の多い連中とドンパチしなきゃいけなくなるのはある意味自明だったのよ。
 そらあ、私だって何とかのキセキみたいなのを遊んでても面白いからいいけど、このままじゃそれすら作れなくなる恐れだってあるわけですよ。

(蛇足)なお、勝った勝ったと騒いでいる欧米ゲームも、*****の下のリストでご覧になる限り、優秀作品の数はまだまだ少ない。2010年度などRPGはME2一作に頼りきり("Fable III"が予想外にこけました・・・)で、残りはFFXIII、DQIX他和製作品の比率も高い。"Fallout: New Vegas"は発売時期が遅かったせいではなく、特にコンソールに残ってるといわれるバグの嵐と前作のエキスパンション臭さが祟ってあまり票が伸びないのか。
 シューターやRTSでは量的にも質的にもあちらの優位はもう揺るがない世界に行ってしまったと思いますが、CRPGやその系列の何たらRPG("Resonance of Fate"や"Valkyria Chronicles II"など)の世界では、まだまだ巻き返しできるんじゃなかろうか。
 それともやっぱり、成功体験に基づく世界をただ漫然と繰り返そうとするんだろうかw。

(蛇足の蛇足)上のモデルは自動車産業に適用できるか? 太平洋艦隊ならぬビッグスリーは満身創痍、破産するところまで出た。今のところはまだ優位を保持してるのか? 
 内燃機関車の世界では大陸国、半島国の動向が重要だし、電気自動車は敵さんにとって巻き返しのチャンスだ。上のモデルが今後も果たして当てはまるかどうか、個人的に興味は尽きません。

**********

 2010年のベストダイアログは、Mass Effect 2で決まりだろうと言いたところだが、あちらでは"Red Dead Redemption"がとにかく受けている。ユーザー投票では今のところME2完全優位だから、CRPG代表として、ぜひこのまま突っ走って欲しいね。
 その他個人的興味でピックアップすると・・・。
 ベスト・ストーリーは上記二者に"Heavy Rain"を加えて三つ巴だが、やはりME2リード。
 べスト・エンディングはME2はノミネートなしでRDRリード。
 ベスト・エキスパンションは"DA:O Awakening"(エキスパンション自体がそもそも少ない)。 
 ベストDLCはME2のシャドウブロウカーとオーヴァーロードのダブルノミネートで票が割れちゃうw。RDRの例のゾンビパックが優勢でME2つの合計に勝っている。
 ベスト・ヴォイスアクティングもME2とRDRのガチンコ。
 ベスト・メモラブル・モーメントは、ME2のオープニングがダントツトップ。

(見落とし)ベスト・ニュー・キャラクター。RDRは当然ながら主役のジョン・マーストン。ME2は・・・、えーっ、モルディン・ソラスw。
 これは勝てないと思ったら、案の定マーストンがトップだが、なんとモルディンも健闘している。Bayonetta(ベヨネッタかな)の上だ。

 こうしてみると、ベスト・オヴ・ザ・イヤーもME2とRDRが最終的なガチの対決になるのかもしれません。今のところME2リードで、RDRとSC2が続く。その下スーマリもあるなw。

 でもRDRやSC2はとっくに500万本以上売れてんだよね。スーマリは良く知らないけどそのくらいは平気でいってるでしょうし。
 ME2は結局200万本行ってないのかな。(4Gamerによれば足元の累計225万本だそうです)

 うーむ・・・。CRPGが純文学の世界みたいになるとやだねw。
 名声だけでなく続編・スピンオフも作り続けられるように実利もあげて欲しいw。  

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