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2010年11月20日 (土)

エンディングを見ない理由。

 IGN、相変わらず渋いところをついてくる。

 http://ps3.ign.com/articles/113/1135264p1.html

 Why Don't We Finished More Video Games ?

 個人的に手に入れたヴィデオゲームは年間10本は軽く越すだろうが、エンディングを一度でも見たものは最近では50%あるかないか。いや正直に言いましょう。30%がいいところか。
 その昔、クリア率は控えめに見て80%、下手すると90%以上だった頃と比べ明らかに中途で放置してあるものが増加しているとの自覚はあった。
 もちろんオポチュニティ・コスト、自由時間の価値が向上してしまってるせいもある。やるべきこと、やりたいことはあまりに多く、一方時間はあまりに限られている。制約条件はもはや金銭ではなく時間だ。"Time is money." ほんとは同じものだけどね。

 文中でも触れられている"Mass Effect 2"の自動フィードバックに基づくゲームプレイ統計値についてはこのブログでも以前にご紹介。

 http://vanitie.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/me2-7242.html

 恣意的に「プレイデータを送らない」ことを選ばない限りゲームソフトウェアが勝手にプレイデータをBioWareに送信する仕組み。データはすべて個別プレイヤーが特定できないように匿名性が守られているそうである。まあ、そう言うでしょうね。

 発売後かなりの時間がたっているME2をクリアした者がフィードバックデータ全体の50%しかいないという事実には確かに首を傾げましたが、「あちらではレンタル・リセールもある」し、「ME2はやっぱサイファイだけに敷居が高いので、ヘタに手を出したカジュアルが断念するのかな」とか、こんなものなのかとそれ以上気にしなかった。

 "Fallout: New Vegas"はPC英語版で遊んでいるのでSteamのグローバル・アチーブメントなる統計値がわかる。
 Steamだけに胡散臭いが、アチーブメントの集計など大したことでもないだろうし、フォーブスの注目デブ、じゃない注目株となったニューウェル、いい加減にそこらへんは信頼に値するものだと前提をおく。イヤだけどw。

 この記事を書いている時点でオープニングシークエンスからキャラクター・メイキングまでを完了した者(正確には対応するアチーブメントをゲットしたアカウント数だが面倒なので以下「者」と書く)は95%。クリティカルパスであるRing-a-Ding-Dingというクエストを完了した者は44%。
 複数あるエンディングのどれかを達成した者(複数達成あり)でおそらく15%くらい。
 短期間で複数エンディングを達成したようなコアゲーマーの存在を考えれば、プレイヤー数比率はこれより低くなる。 
(下記の記事超訳にも引用されているNew Vegasだけにバグ云々の話はあるだろうが、PC版にゲーム・ストッピング・バグというのはない)

 全世界発売後1ヶ月も経過していないこと、普通に遊んでも100時間はくだらないコンテンツ量、オープンワールドであることなどを勘案すると、もしかしたら現時点で15%は高い数値なのかもしれないが、最終的に例えば80%以上のプレイヤーが一度はエンディングを迎えることになるような感じはしませんね。"Mass Effect 2"の数値並みになるのではないかと容易に想像できる。

 IGNは、(少なくともエンディングの存在する)ヴィデオゲームを、プレイヤーがクリアしなくなってきている傾向についていくつかの視点を提示している。

**********

「終わったら起こして」

 まず単純に「途中で飽きる」。ある編集者はFFXIIIを例に挙げている。現実逃避の手段であるゲームがつまらなければ、費用対効果の観点からゲームプレイをやめる。

 ヴィデオゲーム自体が「希少で斬新なもの」であった時代、例え「つまらない」ゲームであっても「ヴィデオゲーム」であるが故にひとつひとつ最後までやりこむことに価値があった時代は過ぎた。
 ゲーマーの年齢層もあがり、経済的にも余裕ができ、複数のゲームを一度に入手できるようになったのも、個々のゲームを最後までやり遂げる意志を薄れさせているのだろう。
 ましてや世の中にはテレビ、映画、ネット他の競合メディアも沢山あるわけだから。

「次ので行くわ」

 シークエル、年次版(CoDは毎年オンスケジュールで作品を出し続けている)、すなわちフランチャイズ化の蔓延はメーカーのみならずそれを期待するゲーマーも責めを負うべきだが。
 (JRPGにゲーミングライフのルーツを持つという)ある編集者はHaloを例に上げ、次回作がすぐ控えていることがわかっている場合、同じフランチャイズを立て続けに遊ぶことは避けたいという。よって前作のほうは途中で中断することになる。

 12ヶ月後に続編・新作が出るとわかっていて、発売後6ヶ月経ったゲームをクリアしようと思う?
 BioWareはプレイヤーがクリアしたかどうかデータを収集してるかもしれないが、ゲーム会社の決算担当部門はとにかく売れればいいと思っているんだから。

「ふつうにダメ」

 PCゲームは出荷時未完成が普通だったが、かつてカートリッジ版ゲームで致命的なバグというのはあまり記憶にない。(訳注:日本語版にはいくつかありましたけどね)
 今はどんどん未完成品が市場に出てくる。記者は最近の"Metroid: Other M"、"Fallout: New Vegas"などを例に挙げている。

 あの任天堂のゲームで、しかもエンディングに致命的バグなんて過去一体ありえただろうか? 最終的にパッチを出したが、それ以前にメトロイド・ファンの多くは去っていっただろう。かつてのPC版同様、コンソール版も「とりあえず出して後からパッチ」が可能になり、その風潮に流されているのではないか。

 その他、プレイヤーをなかなか勝たせないように操作されたAIや偽のランダマイズなども楽しみを殺すファン・キラーだ。
 ただ読者に手間隙をかけさせ長い時間読ませようとするためだけに、全ての文字がさかさま順に印刷された本を誰が読む?

「すべっている話」

 かつてヴィデオ・ゲームのストーリーなどマニュアルに書いてあるのみだった。
 カットシーン、ヴォイスアクティング、素晴らしいロケーション設定などにより、ヴィデオゲームのストーリーテリング力は格段に向上した。"Uncharted", "Fallout"、"Mass Effect 2"などをはじめとした数多くの素晴らしいストーリーが語られる一方、他愛もない、しょうもないストーリーは逆にゲーマーから見向きもされない危機を迎える。

 ある記者はメカニズム、アート、雰囲気、システムのあらゆる面で優れていながらストーリーラインが貧弱なため遊び続ける気を喪った"Borderlands"を例にあげているが、一方"Red Dead Redemption"は、その環境設定が魅力的なおかげで、途中の弱いストーリー部分を持ちこたえエンディングまで進むことができたという(他人のYou Tube画像に頼らずに!)。

「即売り可能」

 かつてヴィデオゲームは友達にあげるか、家族のガレッジセールで叩き売られるかしなければ自分のものであり続けた。
 買ってはみたけどぴんとこなかったら、あるいはプレイに苦痛を感じたら地元の中古屋に売ってしまおう。あるいはオンライン・オークションに出すとか。キャッシュを手に入れれば別の良いゲームが買えるかもしれないから。

**********

 さて、上に記載されているケース以外に、当然予想されるケースをひとつだけ追加してしまいましょうw。こうやって読者の潜在的コメントを自ら封じてるのが悪い癖というのも自覚していますが、書かずにはいられない。
 このケースは日本人特有なのかもしれない。

「夢なら醒めないで」 

 エンディングを迎えてしまい、全てに決着がつくのがいやだから。もう遊ぶコンテンツがなくなるのが、現実に引き戻されるのがいやだから。あの登場人物にもう会えなくなるのがいやだから。
 もう引き返せなくなるあたりで寸止めしておくらしい。いや、私は決してしない。さっさとエンディングロールまで見る。だが世の中にはそういう人は結構いる。
 ゲームはリプレイ、繰り返して遊ぶものではない、という前提があるのかな。

 上のIGNの例がネガティヴな理由を挙げているのに対し、これは「ストーリーが終わってしまうのが堪えられない」という、どちらかというとポジティヴな論点。 

 村上龍は別段好きではないが、彼の「ストーリーはエントロピーの増大」というフレーズは正鵠をついていると思ったので良く覚えている。エネルギーを創造する「ドラマ」と対比させてたのかどうか、そこらへん記憶があやふやですが。 

(追加)

 実は「夢から醒めたくない」は、IGNの記事にも触れられていた続編、シークエル、あるいは追加DLC、スピンオフをユーザーが求める動機でもあることに今気がついた。
 だから本質的には日本人特有ではない。
 どれだけ素晴らしい、広がりのあるワールドを創造したかにかかってるのでしょうが。

 さらに、「エンディングを見ない理由」にも、もう一ケースあることに気がついた。
 それはIGNの記事の趣旨ともちょっち違うけど、しばらく時間をおいてから追加してみようかな。

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