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2010年8月25日 (水)

【NW】マッシブリー・インタヴュー(3)

 最後です。Crypticのほかのゲームのことも触れています。開発哲学の話、個人的にはとても面白かった。

Q: GameSpotのあなたのインタヴューやプレスリリースを読んで、(このゲームは)とてもフォーカスされていると感じました。5つのクラス、ヒロイックレベル(訳注:レベル10までの初期の段階のこと)、またネヴァーウィンターという大都市で色々なことができる。
 Crypticはライト・コンテンツ・アプローチ、初期にはゲームをするのに必要十分なだけの基本的なライトなコンテンツだけではじめ、その後で拡張を図っていく方法を取るのでしょうか。

 今何をしようとしているのかお話する前に、"Star Trek Online" や"Champions Online"で学んだことなどを含め、STO、CO以前の私個人の哲学についてもお話することにしたい。
 私たちの"City of Heroes"は大変な評判となり、メディアにも露出し、みんなに愛してもらえたが、クラフティングとPvPは当初実装していなかった。内容はすべてコンバットであった。

 時間がたつにつれ、誰もがどうするんだ、どうするんだと問い詰めてきた。やがてPvPを追加したが会員(サブスクライバー)はまったく増加しなかった。クラフティングを追加したところ3ヶ月で1万くらいの会員が増えたが、すぐに元に戻った。グランドスキームというものについて私が学んだのは、ゲームのローンチ時点でその機能がなければ、最後まで決して入れることはできないということだ。ローンチ時点で有している機能が、そのゲームを規定してしまうんだ。

 STOとCOのローンチにあたり、誰に対してでも何か与えることができるものがあることを確認した。ところがそこで問題が明らかとなった。この哲学に従うと、どのコンテンツも磨き上げることができないのだ。あるところにはまだ作りかけの機能が山ほど転がっていた。

 私が忘れていたのは、消費者でもプレイヤーでも、ローンチ時点で存在していないものは、最後までそこに存在していなくても気にならないが、もし最初に生焼き、半分だけはよくできたコンテンツを見せられたら、みんな最後までそれをしっかり覚えているってことだ。STOとCOがローンチ後は大分よくなり、コンテンツも増やし、バグも修正し、プレイヤーには返答を返し、色々やったのだが、そのどれひとつとして、ゲームがローンチした時点での第一印象を塗り替えるくらい強く印象づけられ、重要視されたものはない。 

 だから今は全く違うマインドセットを有している。
 今は、何をするに当たっても可能な限りの品質を確保していなければならないと考えている。その方法のひとつがコンテンツにフォーカスすることだ。何を作っているか理解すること。このゲームはどうなっていくのか、どうならないのか? インタヴューでお読みになったとおりだ。クラスがあり、ゲームの背景がこうであり、ストーリーがこうであり、クエストがある。すべてのものが完全にフォーカスされている。そして我々は何を作っているのか知っている。皆にとって何か与えることができるものを作っているんじゃない。

Q: とても面白いアプローチだと思いますし、それだけじゃなく何か共感を呼ぶものですね。悪いスティグマ(刻印)を押されてしまうと、それは辛いことであり、またいつまでも消えない。これは最近私たちもスタッフのひとりとして目にしているものですね、なぜMMOが時とともに変わっていくのに悪い刻印が付けられるのか。とてもいい質問だと思います。Crypticは変われるのでしょうか。そうしたネガティヴな刻印はどのようにして払拭するのでしょう?

 ふむ、私がインタヴューをしてるようだね(笑)。そのために開発戦略全体を見直した。今やMMOだけじゃなくオンライン・マルチプレイヤー・ゲームを開発しているんだ。将来また伝統的MMO を手がけるかもしれないが状況次第だ。我々はオンラインゲームをやり続ける。それはおそらくRPGだろう。そしてそのジャンルの王道のものだ。それは私にとってとても重要なことだ。ゲームのメカニズムはそれを核として全て変革していくだろうが、それらはみなフォーカスされる。我々は与えられた時間の制約の中で、ベストなコンテンツをなんとかひねり出す。よくありがちで、我々が過去にやっていたような「だいたいベスト」ではだめなんだ。

 自分たちがうまくやってると確認する術のひとつは、なにか新しいことをやってるかどうかということ。基本的に数週間おきにある時間でプロジェクトを輪切りに切り出して「ヴァーチカル・スライス」として見た場合にね(注)。

(訳注)後に触れられるダイナミックな開発手法、一時期はやった言葉では「アジャイルな」開発のことを言っていると思われます。

(合間)過去はどうやっていたか。能力と効率を最高にするため、すべてウォーターフォール形式(注)でスケジュール化していた。例えばどの時点をとってもいいが、STOの地上戦闘のある要素をテストするとする。「これはけっこう楽しい」と確認するが、実は全体パッケージを実際に見渡すことは開発のずっと後の段階にならないとできないし、端的にいえばそれはローンチ直前でようやく可能になるのだ。そこですべてが魔法のように統合される。"City of Heroes"や"City of Villains"ではこれが非常にうまくいった。
 
 CoHは1年半、CoVは9ヶ月で開発した。COは2年、STOは1年半だ。だからうちは驚くべき効率的な開発スタジオだ、と当然ご存知だろうがね。業界で我々ほど多作な会社はない。他よりダントツだ。

(訳注)(比較的古いがごく一般的な)ソフトウェア開発手法。ネットのいたるところに説明ありますのでググってね。

Q: 皆よく、おたくの会社はスーパー・ファーストだと言ってますよ。

 スーパー・ファーストがスーパー・グッドとは限らないんだ。それがレヴューに書かれ、またプレイヤーが感じていることなんだ。"World of Warcraft"以前に我々が作ったゲーム、CoHは当時優れたものであったが、その同じ手法を何度も何度も繰り返して用いることはできないんだ。常に優れたものを作らなければならないんだ。

 ヴァーチカル・スライスには、ゲームの全ての要素がはいっていて、機能していて、コンテンツは出荷可能なものでなければならない。自分たちでプレイしてみて、レヴューして、開発チームとまったく関係ないモック・レヴュアーにもありのままでプレイさせて意見を聴いてみる。この方法で正しい方向に進んでいることを確認する。どんどん良くなっていくことがわかる。

 究極的な目標はレヴューで90点以上のスコアを取ることだし、偉大な製品を作ろうとしてるのだから当然だ。"Neverwinter"で取れるとは言わないが、どんどん良くなっていく上昇軌道を見るのは楽しい。

 もちろんヴァーチカル・スライス方式は苦痛でもある。以前なぜ別な方式を採用していたかというと、(訳:ウォーターフォールのほうが)ずっと効率的だったからね。(訳:ヴァーチカル・スライス方式で要求されるように)全ての小さな物事まで含めて動作させるというのは難しいが、それは驚くべき改良であると思ってる。

Q: いまどきウォーターフォール方式はめったに聴かないですよね。ダイナミック開発手法とかSCRUMとかが最近良く聴く手法で、ウォーターフォールはもうずっと耳にしていませんでした。

 社内の用語でしゃべってはいないよ。大分簡素化して話している。正直、私は全てのゲームの開発に携わってきているので、CoH、CoVで用いた開発モデルが永久に繰り返し使えるものだと考えた私の失策なんだ。COとSTOでも同じことを繰り返し、レヴュースコアはまあなんとも驚くべき低さだった。(笑)COもSTOもローンチ時点でCoHよりずっと優れたものだったのだが、もうマーケットも当時と違うし、我々は適応しなければならない。

 レヴュアーとかカスタマーに(訳:わからないおまえらが悪いとか)悪口雑言を吐き散らしはじめる類の開発者にはなりたくないからね。それこそバカげた振る舞いだろ。こっちが変革しなくちゃならないし、これが変革するためにしなくちゃならないことなんだ。

Q: R.A.Salvatoreの新作小説も出ますが、本の世界にゲームを当てはめていくのは、これまでのところうまく行ってますか?

 そうした本はゲームの開発を色々な面で簡単にしてくれる。拠り所を与えてくれるわけだから。IPの仕事でなければ、ゲーム世界はあまりに多くの可能性を秘めており、開発チームで数千もの異なるアイデアが出てきてしまうんだ。

 IPの仕事であったり、Salvatoreのストーリーなどがもらえれば、そうした議論は最初から不要で、何を作ればいいのかハッキリする。誰かがゲームにもっとすんなりフィットするかもしれないアイデアを思いついたりしたときも、無数の可能性を考えるのに比べて判断がずっと楽だよね。意味通じた?

Q: わかります。自分で小さなゲームを作ったことがありますが、あまりにやることが多くて、あまりに気を配らなければならないことが多いですね。

 Salvatoreのような優れたライターがいて、「ほら、本ができたよ」といわれたら、「了解。もうXYZの背景なんて考える必要ないね」といえる。素晴らしい基盤であり、出発点になる。

Q: 最後の質問ですが、いつもこれを開発者にお聴きするのが楽しみです。ご自分のゲーム、"Neverwinter"の一番好きなところはどこですか? 鼻高々になれるところ、共感できるところ、自分でそのゲームを本当にプレイしたいと思えるところは?

 間違いなくコンバットだね。過去作ったものより戦術性がずっと増していて面白い。COはとてもアーケイン(魔法)寄りだった。STOのコンバットは好きだし、それにも似ているが、もう少し思慮深さがいる。ポジショニングは重要だが、これの深みはそれだけじゃない。自分のプレーヤーの状況も把握しておく必要がある。
 
 DnD4版をプレイしたことがあるなら、多くのパワーや能力が、スタン状態、ブラッディ状態、あれやこれやの状況に応じてクエリーに並んでることがわかるだろう。自分でやっていることに注意を払うとともに、チームメートの行動にも注意する。これは新鮮だよ。オールド・スクールのRPGなんだ。ターンベーストではないが、その雰囲気をとてもよく想起させてくれるものだ。

Q: 戦術的であって、意思決定して、そこから進む。あなたがゲームのシステムを説明しはじめたら、そのままDnD4版のうたい文句みたいに感じました。とても素晴らしそうです。エンカウンター・パワーをエンカウンターごとに一回使って、みたいな。

 そのとおり。それも本当に好きだね。過去のDnDキャラクターを引っ張り出して、じっくりビルドを再確認しなきゃならないが、ミニ・マックス(訳:min-maxing、キャラの属性数値最小最大を狙う、いわゆる鉄板キャラ、最強厨キャラ作りのこと)で済むわけでもないし。全部好きだね、楽しいし、チャレンジングな経験だよ。

Q: 今日はありがとうございました。

 いえいえ、いつでもどうぞ。

**********

 なにやら一時期流行した「失敗するソフトウェア開発、システム開発」のお話みたいになってますがw、(Crypticの得意分野であった)コストと納期遵守、それにも縛られていながら、今度は品質ベストという命題に挑むということでしょう。

 なんだ、せっかくお試しで遊んでみたCOのコンバットはNWとは違うのか・・・。STOまでお試しでやれというの?

 そんな暇はないなあw。しかもマルチプレイでやらないとわからない?  

 静かに続報を待ちます・・・。

 なお、非常にくだけてお話になってるようなので、ニ三点、これで意味あってるかなあと心配な部分もあります。

「DnD4版をプレイしたことがあるなら、多くのパワーや能力が、スタン状態、ブラッディ状態、あれやこれやの状況に応じてクエリーに並んでることがわかるだろう。」

 ここはわからない。正直画面でも見ないとわからない。

If you play D&D Fourth Edition, you'll see lots of powers and abilities that are queued off of circumstances, when I'm stunned or bloodied, when I'm this or that.

"queue off "・・・。

 のちにハンドブックでも眺めてみて気がついたらこっそり修正・・・。

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