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2010年6月28日 (月)

SF末法思想

 オーヴァーロードをプレイして、まとまらないまとめを書いて、またSFが読みたくなる。
 過去を振り返ると、いくつかの趣味のジャンルでこのサイクルを繰り返している。
 A型気質が災いして、例えばRPGゲームに凝ってる間はそれしかしない。SFを読むぞとなるとそれしかしない。音楽やるぞとなったら、プレイするジャンルの音楽しか聴かない。

 これが中途半端オタクの作り方です。アンテナ狭いから、同時代性を見失いがちになる。データが抜ける。これはオタクとして致命的w。

 オーヴァーロードをプレイしていて、かつて読んだ「SFベスト201」(2005)の前書きを思い出した。書いていたのはこのSF紹介本の編者でもある伊藤典夫さん。

 直接のかかわりは、トロン風味の画像を見て「あれ、古臭いぞ?」と感じたこと。伊藤さんは、「ある種のSFには賞味期限があり、腐ります」と書いていたから。でもこの記事はそこは膨らまさない。

 当時でも既にSFは映像世界では隆盛していたが、活字世界では元気がなかった。「SFは終わった」ことにさえされていた。その理由はジャンルとして「大きくなりすぎた」からとか、「読者との接点を見出すのがつらくなった」からとか書いておられました。

 非常に批判的に考えると、まず「そもそも誰も活字を読まなくなった」がありきで、次に「ジャンルが大きくなりすぎて個々の作品では儲からなくなったから、出版側が作品を絞り始めて」、批評側も「こらいかん、絶滅するぞ!」と恐怖におののいて、「雑多な作品は全部クズだから読まなくていい、グレッグ・イーガンだけを読みなさい!」とおせっかいを焼いた。

 だからでしょうか。
 「SFの90%はクズ」と喝破したのはスタージョンですが、その後すぐ「なにごとも90%はクズ」というオチがついていた。
 ところが「他は読まなくていいからこれ読みなさい」こそが、愛しいクズに出会えるチャンスを奪っていることにもなりかねない。

 根底には私がキライな「SF初心者には手ほどきが必要」という発想がある。「初心者」って。

 あのなーー、本とか人から教わって読むんじゃねーーーっ! 少なくとも14歳過ぎたら自分で探せーーっ!

 ちなみにマシンガンズは大好きです。

 米国小売ではウォルマート以外全部沈没、日本ではユニクロ以外全滅、購買者なんて誰だって多数の選択肢からの難しい判断できないんだから、結局こうなっていく。色だけ選ぶとか。考えなくてもここが間違いなく安いからとか。

 ビデオゲームにも当然この傾向があり、さらに昨今では開発費が半端ないそうなので、さらに加速的に少数の「定番」に収斂してしまうのでしょう。シューターはこれ、アクションはこれ、プラットフォーマーはこれ、RPGなにそれ?
 昔のクソゲーには、腹が立っても引きつり笑いくらいはできたけど(いやクソゲーなのにクリアしようとむなしい試みもしたけど)、今じゃ誰も買うことすらしない。

 発想をかえると、活字なんて滅びの文化。映像世界では隆盛を極めているから全然OKじゃないのか、という説もありますね。
 しつこいですが、"Mass Effect"の映画を撮らせたい監督の候補がたくさんあがるなんて、一昔前では考えられなかった。まず監督自身がコメンタリーで「自分サイファイマニアですから」("District 9")とか「サイファイ好きの人たち元気ですかーっ?!」 ("Moon")と公言することも稀であった。
 

 違うだろう、そういう監督たちも活字からSFに入ったんじゃないのか?
 この反論、たぶんすでに通用しない。彼らはおそらくですけど、映画とか、ゲームとか、アニメ、コミックから入ってる。もうきっと育ちが活字じゃないんです。
 ビデオゲームだって、なにかってと「ポストアポカリプス」、核戦争かなにかで廃墟となった地球を舞台にすれば完成したような気になってる二番煎じ・思考停止ものも多いけど、結構いけてるSFチックな環境設定だって多く出ています。

 活字崇拝、SF旧世代にとっては、末法の世。だからといって世の中が滅ぶわけではない。仏教に詳しいわけではないが、きっと仏法と末法はサイクリックなものなんじゃないかな。

 そんな私は、まず「グレッグ・イーガン以外は認めない!」という流行の言説に腹を立て、ほとんどまじめに読んでいなかったイーガンを読んでみる。短編集からにすっか。
 それから、過去記事で何の気なしに触れた「イリアム」が文庫で出てたんで買ってみる(「ハイペリオン」のダン・シモンズ作)。
 そして、"Moon"の主演であったサム・ロックウェルが出演していたという、"The Hitchhiker's Guide to the Galaxy"(2005)も観てないけど、それにちなんで「銀河ヒッチハイクガイド」(ダグラス・アダムス)を大昔に読んでたけど、この際再読したい。ついでにBDも買っちゃう。

 何今更読んでるんだって?
 最初に中途半端オタクと断ったはずです。趣味の時代がサイクリックに訪れるもんでw。 

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コメント

こんばんは。
グレッグ・イーガン,私もけっこう読みました。
イーガンは短編が素晴らしいし,基本的に,アイデア勝負短期決戦の短編作家だと思います。
長編となると,出だしは鮮烈なのですが,途中でもたつき,最後はなにか肩透かし...... まぁ,SFって,たいていそのパターンですけれどね。
ダン・シモンズは,『ハイペリオン』に衝撃を受けて,ほとんど全作品を読みました。ですが,『イリアム』はねぇ....... アサリがやたらたくさんいて.....と,これはイリアム違いですが(笑),ダン・シモンズも,別のダン(ダン・ブラウン)同様,息切れしているようです。
『ハイペリオン』が凄すぎて,彼のその後SF系作品は,『ハイペリオン』の焼き直し,アレンジ,自己模倣,という感じですね...... 大風呂敷を拡げるだけ拡げて結末がいい加減なのは,本邦の漫画家浦沢直樹に通ずるものがありますな。
シモンズは元々はホラー系作家なのですが,『殺戮のチェスゲーム』は掛け値なしの傑作なので,もし未読でしたらお試しあれ。
どうも,ブログ主様のせっかくの読書欲に水を差すような書き込みで,申し訳ありません。

 いえいえ、すでに全部買ってしまったので埋没コスト、サンクコストですからw。私はクソゲーも愛しますし(一部を除く)、クズSFも愛せますよ(多くを除く)。
 イーガンは「もうこれしかない! これだけでいい!」と吹聴する人が多くて辟易したってのは事実です。坂村教授もその1人か(笑)。

 『殺戮のチェスゲーム』、気にはなっていました。探してみます。
 『謀略のチェスゲーム』(山田正紀)から題名パクッたのかなw。

ダン・シモンズはSF以外も面白いですよ。うん、そっちの方が好きかもしれない。
今のSFはどうも私の趣味とはズレているようで買ってまで読みたい作品が非常に少ないですね。なんなんだろうな。
ここは書くべきか・・・そうかもしれない。

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