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2010年1月 2日 (土)

誤訳がどうした。

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 他にも例があると思いますが、個人的に一番衝撃を受けた誤訳(ではないかとされる例)は、あれです。

 「緋色の習作」(アーサー・コナン・ドイル)

 ぴんとくる人はぴんとくる。あれ、「緋色の研究」じゃないの? シャーロック・ホームズなら。
  そうなんですが、「緋色の習作」という本(河出書房版全集の一冊)が発売されたとき、その背表紙を見た私は、はしたなくも大きめの書店の店内中に聞こえんばかりに「ああーーっ!」と悲鳴を上げ、同行してた人たちから何事かと問い詰められた記憶がある。
 "A Study in Scarlet" なんですが。過去の翻訳ではずっと「研究」だったはず。
 新全集の翻訳者(監修者)が、「いや、これはずっと思っていたんだが絵画でピカソの『青の習作』などと用いられるように、『習作』っていう意味を付与したんじゃないのか」と、手元に本がないのでうろ覚えだが、「研究」は誤訳ではないかと問題提起をしたんであった。
 コナン・ドイルの最初のホームズものだし、はじめての探偵小説だし、たしかに説得力あるよなあ。 むしろそんな有名な小説の題名ですら、誤訳の危険があるということに衝撃を受けたわけなんですけどね。

 さて巷では"Call of Duty Modern Warfare 2" でまたもめてるようですな。
 北米他世界各国の皆さんは発売直後に"dedicated servers"問題で大騒ぎだったように記憶しておりますが、島国日本の場合(PS3、XBOX360)は誤訳問題だそうで。予想された事態とはいえ、大変痛ましい限りでございます。国民の皆様にこころから同情申し上げます。

 個人的にはPC版はどうやら北米での認証が必要?だそうなので買うのを手控えました(代行してくれるところはある)が、PS3の輸入版は動くそうなので、そっちにしようかと思っている。そこまでマルチプレイにはまるつもりもあまりないし、だったら値段が落ちてからでもいいかな、とも思う。

 ひとつ言わせていただければ、批判されている方はどうして誤訳とわかったのでしょうか?
 もちろん日本語自体がへんてこりん、意味すら通じない、というのはございましょう。
 たいしたテキスト量でもない、つか笑っちゃうくらい少ない、たかだかFPSのせりふとか文章ではあったとしても、日本語版発売決定(契約締結)から発売日まであまり時間がなかったということは容易に想像できます。声優さんの手配まで含めてんてこ舞いだったのかもしれない。
 映画「指輪物語」の例を引くまでもなく、映画・ゲーム翻訳の仕事の場合、とりわけSF、ミリタリー、ファンタジーの世界に特化してメシが食える人がそんなに存在するはずもない。ましてや一般に英語に長けた(日本語を母国語とする)人たちは、そういう「ジャンルもの」関係の知識は、オタクとかゲーマーに比して「不足している、劣っている」と考えるのが安全だ。
 とくに準備期間が限られている場合など、この手の騒ぎは過去多数存在するはずです。
 戸田奈津子チーム(本人とは言っていない)ですら、「指輪物語」一作目初回上映時には惨憺たる誤訳をやらかしていたんだから。

 今回の件も、だいたいどの程度の品質の悪さかはうすうす想像がつくものの、怖いもの見たさで買うほどこっちも暇ではない。
 CoDのせりふのテキスト量が、MW2になって異常に増えたとかいうなら話は別だが。

 はっきりさせておきたいことは、北米版と比べてここが違うあそこが違うとか騒いでるほうが多いのではないのかということです。
 北米版でできるなら、それでいいではないか。いったいなにを騒いでいるのだ。

 そうではなくて、日本語だけみても気になってしまうほどおかしい、ところが英語は本気でダメなんだというなら、これはもうご愁傷様と申し上げるしかございません。
 やる気があるなら今からでも、たかがFPSごときの英語ならすぐ追いつきます。こういうゲームが好きなら、おそらくボキャブラリの質・量のレベルは中途半端オタクの私なんかより勝っている人が多いはずだし。あとはもう、普通の会話のいいまわしだけの勝負だし。  

 一番いいのはフランスの傭兵部隊にはいって、軍隊生活をしながら日常生活で覚えることだと思ったが、よく考えたらその場合はフランス語に堪能になってしまうことに気がついた。すみません。

 今回一番あきれたのは、スクウェアエニックスにまるで非があるかのような言い方。
 あほじゃねえのか?
 グローバル企業、マルタイナショナル企業のメガパブリッシャーに、いったい何を期待しておるのだ。 
 四半期決算が大事なんだよ。株主の突き上げが怖いんだよ。数字がすべてなんだよ。
 慈善活動じゃないんです。ビジネスなんです。キャッシュ・ジェネレーション・マシンなんです。
 日本市場なんて構造上ややこしい上に、マーケットの嗜好がユニークで、しかも言語含めローカライゼーションも面倒だから、メガパブリッシャー誰もまともに手を出そうとしないんです。
 素直に英語をきちんと勉強してくれる優等生のK国とかC国のほうが、英語を押し付けて済むから安心なんです。あと、FPSとMMOだけ売ってればいいし。海賊さん問題は、ネット認証が解決してくれるんです、少なくともみんなそう信じてるんです。

 ネットで何の意味もないw文句書いてるだけじゃダメなんです。自分もだけど、自分は別にスクエニ糾弾してないけど。
 解決策なんて存在しないんです。ちなみに思いつくまま書くと。
 
 1.日本語をデファクト・世界共通語にする。
 2.日本人に英語でMW2ができるレベルまでの教育を強制する。
 3.アクティヴィジョンを日本企業が買収する。   
 4.与党幹事長が輸入ゲーム翻訳吹き替え品質確保新法案可決を政府に要求する。
   (略して「輸ゲ品確法」) 

 ほら、全部頭のおかしい人の発言みたいになるでしょう。
 (いや、大きな声では言えないが、K国とかC国って、こういうこと真剣に考えてるからな。そうなって欲しいなら話は別だけど)

 それじゃ、いたいけな日本のゲーマーは、どうすればいいんだ!
 大企業の横暴に耐えるしかないのか?!

 いやあ、今回の問題の答えはもう書きましたよねー?

 PS3の日本語版と英語輸入版を両方入手して、とっかえひっかえやって遊ぶ。
 意味不明なところは日本語版で、雰囲気や臨場感が必要なところは英語版で。

 アメリカの子達は、FF13を日本人がやり倒してるネット映像見て、三ヶ月間悶々として、妄想を広げて我慢してんだよね。
 上に書いたくらいの苦労してよね、文句いうなら。
 なに、両方買うほどお金使いたくない?
 んじゃあ、最初から愛がないんじゃん。

 **********

 SFファンなら知ってる、有名な題名自体の誤訳(これもいくつもある)のひとつは、これ。

 「流れよわが涙、と警官は言った」(フィリップ・K・ディック)

 たしか過去版の題名は「俺の涙を流してくれ、と警官は言った」だったかな。
  "Flow My Tears, The Policeman Said."なので、明らかに前者。これは翻訳の質の問題だけの話であったし、「俺の涙を流せ」って意味不明だな、さすがディック、とか感動していたバカな頃の自分を思い出す貴重な本であった。

 映画化があるそうで、期待半分、またはずすんじゃないのか、と不安半分w。
 そのまえにまた挫折すんじゃないか、とこれは期待?でいっぱいw。
 それより「ユービック」どうした?!とか、SFオタクねたはやめときますね。

 

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