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2010年1月20日 (水)

ブライト(ロア)(その2)

 ドワーフの没落

 最初のブライトに見舞われた当時の古代社会は、今日のものとは大きく異なっていた。帝国の文明国家による支配を除けば、ヒューマンは大多数が蛮族で、分裂して多くの部族を編成しており、資源を争って小競り合いを繰り広げていた。同じ頃、セダスの大山脈の地下深くには進歩的で組織だったドワーフ文化があり、当時のヒューマンの文化が原始的と思えるほど隔絶していた。

 ダークスポーンが地下の棲み処から地上に進出するとき、まずヒューマンが攻撃をうけ、反撃を行った。デヴィンターの軍勢が自らの何倍にもなるだろう不気味なクリチャーたちの大群に立ち向かい、その周囲のおぞましく腐った土地を回復しようと試みたが、あまりにも多勢に無勢であった。ヒューマンの歴史において、最初のブライトは悲惨な絶望の時代と記されており、それらの記録はたしかに正しいが、ヒューマンの自己中心的な性質のせいか、ドワーフがその孤立した山岳王国で支払った代償の大きさを忘れがちなのも事実である。

 ダークスポーンが地下世界の支配を獲得しようとしたとき、ドワーフはヒューマンが対峙したものに比べ、ずっと大規模な軍勢を相手にしなければならなかった。ドワーフがその戦力と技術を総動員したにも係わらず、残虐なダークスポーンは王国全土を飲み込む前に、まず遠隔地のタイグを攻略し、ドワーフを散々に打ち負かした。ひとつの文明全体が10年たらずで消え去った事実を考えて欲しい。ドワーフが直面した種族皆殺し一歩手前の事態に比較すれば、ヒューマンが最初のブライトと呼ぶものなど、彼等にはただのつばぜり合い程度にしか思えないだろう。ダークスポーンの襲来によって、そのもっとも熾烈な直撃を受けたのも、その犠牲の大多数を被ったのもドワーフの土地なのである。

 4つのドワーフ王国が最終的に戦力を統合し、反撃を開始したが、この協調こそが彼等を救った。しかし残りの土地にとってはもはや手遅れであった。ダークスポーンはディープロードを奪い、セダス中のドワーフの国々を連結していた壮大なる地下の大動脈はその手に落ちた。ダークスポーンは、いまやこれらのトンネルを利用して、地上のいかなる場所からも侵攻を開始することが可能となった。ヒューマン文明には、このような攻撃への備えがまったくなかった。慣れ親しんだ戦い方など何の役にもたたないことは明らかだった。新しい戦い方を見つけなければならなかった。

 そして救済がもたらされた。グレイ・ウォーデンが生まれたのだ。

 ―― チャントリー・スカラー、ブラザー・ジェニティヴィ著『セダスの崩壊の物語』から抜粋

 グリフォンの飛翔

 グレイ・ウォーデンは、アンデルフェルズ(Anderfels)のワイズオプト(Weisshaupt)要塞に創設され、ヒューマン文明の最悪の時代(the darkest hour)に希望をもたらした。長年にわたるダークスポーンとの戦いの歴戦の勇士が集結し、そのうち最も優れた者たちが、国土を席巻する闇の奔流を食い止めるためならいかなる役割も辞さないと誓いを立てた。これらの偉大なヒューマン、エルフ、ドワーフらは、敵についての知識を共有し、アーチデーモンの猛威を最終的に食い止めるための共同戦線をはった。

 そしてまさに食い止めた。伝承の詩(ballad)は、最初のグレイ・ウォーデンがノードボッテン(Nordbotten)の街でダークスポーンの大群に突撃し、ひとりのウォーデンが10ないし20のダークスポーンと同時に斬りあったと今日に伝えている。力強いグリフォンにまたがったウォーデンの一隊は、暗黒の雲が垂れ込めた大空に舞いあがり、恐るべきアーチデーモンに槍で、また魔法で攻撃をしかけた。ああ、どれだけ勇壮な光景であったろうか!

 驚くべきことに、ウォーデンは最初の戦いに勝利した。勝利の歓声とともに武器を振り上げ、突然、希望が訪れた。ウォーデンはヒューマンの国々を率い、ドワーフ王国の最後の屈強な守護者たちを率い、その後100年にわたり、アーチデーモン・デューマット率いるダークスポーンの軍勢と戦い、おしつおされつを繰り返したものの、一度も後退することはなかった。ウォーデンは、セダス中から技能や力のある者は誰でもその旗の下に呼び集め、エルフの奴隷だろうが、ヒューマンの貴族だろうが、分け隔てることはなかった。最終的に、古えの神の襲来からおよそ2世紀後、グレイ・ウォーデンは、ヒューマンとドワーフの軍勢を集結させ、Silent Fieldsの戦いを戦った。そこでデューマットが打ち倒され、最初のブライトが終焉を迎えた。

 テヴィンター帝国は預言者アンドラステの新たな挑戦を受け、ブライトへの思いは遠い記憶となっていった。その敗北によってダークスポーンは脅威とはもはやみなされなくなったが、我々は後知恵として、それはただの希望的観測であって、しかもあまりに馬鹿げた発想であったと知ることになる。
 グレイ・ウォーデンの使命は、終わってなどいなかったのだ。

 ―― チャントリー・スカラー、ブラザー・ジェニティヴィ著『セダスの崩壊の物語』から抜粋

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